リゾートマンション

日本がバブル時代と言われた1970年代頃から80年代頃にかけて、1987年『私をスキーへ連れてって』などの映画の影響などからスキーブームがあり、全国各地のスキー場が賑わった。このスキーブームの時代には、スキー場の周辺にリゾートマンションが次々とオープンして、その価格は数千万円で販売されていた。

バブルが崩壊した1990年代以降にこれらのリゾートマンションが次々と売却に出される結果となり、2000年代から数百万円の価格が付けられるようになっていった。そしてリーマンショックが起こる2008年頃から価格が暴落して、空室だらけになり、管理・維持費を嫌ったオーナーが10万円で売りに出す事も珍しくなくなった。

現在では、ほとんど人が住んでおらず、ゴーストタウン化したリゾートマンションがスキー場の近くに多数あり、維持・管理費が滞納されるなど問題になっている。

悲惨な安比高原スキー場

全国を代表する大型スキー場の1つで、岩手県最大級のスキー場『安比高原スキー場』は、1990年代には首都圏からもスキー客が訪れるほどの人気スキー場でした。1990年を前後して、リゾートマンションが周辺に多数売りに出されて、数千万で簡単に売られました。その頃、40代だった人たちは、今では既に70代になっており、全く利用しないリゾートマンションに高額の代金を払っている人もいます。

安比高原スキー場は、首都圏からアクセスするには、非常に時間がかかるうえに、ほとんどのリゾートマンションがスキー場以外に全く何もない場所に建てられています。販売価格が50万円で、1ヵ月あたりの管理費が3万円という恐ろしい物件が多数売りに出されており、もちろん買い手が現れない悲惨な状況になっています。

安比グランドヴィラ500万円

安比グランドヴィラは、冬季にはスキー客に1万円ほどで貸し出しが行われています。3LDKの販売価格が500万円ですが、維持・管理費が年間50万円+修繕積立金が6万円かかります。これは、借りた場合に約2か月分の宿泊費に相当します。アクセスが非常に難しい場所で、とても日常生活が過ごせる場所ではありませんので、本当にリゾート向けの物件で買い手を探すのは至難の業でしょう。

買っても大丈夫なリゾートマンションは存在するのか?

  • 20 January 2025
  • のぶやん
買っても大丈夫なリゾートマンションは存在するのか?

維持管理費が高すぎる

維持管理費が高いということは、ランニングコストだけで、収益をあげられないことを意味しています。要は、人に貸し出したとしても、誰も借りてくれないということで、自分で使わないといけないということです。そのランニングコスト分だけ使いこなすことができないので、それだけ物件は下落するのです。

80年代から90年頃のバブル絶頂期に建築されたリゾートマンションは、ランニングコストが高い状態で建設されています。

住めるか?行けるか?

リゾートマンションを買うのは、自分自身が住めるのか?行けるのか?ということが非常に大事になります。住めない、行けないのでは、管理費がかかるだけで、手放せない状況になって終わりです。賃貸のように失敗したらすぐに退去!という訳にはいかず、簡単に売れない物件も沢山あります。

相手にされない苗場スキー場

苗場スキー場前の「西部ヴィラ」は、周辺に生活環境がないので、非常に不便で孤立しています。不動産は、やはり「交通の便」が全てを決めると言っても過言ではないでしょう。交通の便が悪い所では、人間が生活するのが難しいからです。

西部ヴィラ苗場

西部ヴィラ苗場は、ほとんどのワンルームタイプが10万円で売り出されていますが、全く買い手が付かない状態です。管理費が高いので、賃貸で出すにも管理費を考えると賃料が高額になり、借り手がいない(短期ならホテルに住んだ方がよほど安い)という問題が起こります。

外資系ファンドがスキー場取得

外資系ファンドは、日本からスキー場を取得する動きが広がっています。西武グループは、シンガポール系ファンドに1500億円で自社の物件をまとめて売り出しました。かつて西武グループが自社で時間をかけて開発したものですが、時代の流れで運営は自社の負担(会社のリソースが割かれてしまう)になっていました。もっと利益がでる事業に投資したいということです。

日本人の視点から見ると、西武グループの考え方は、凄く適切だなと思います。スキー場を再生させるには、本当に多額のお金が必要であり、それを出してもリターンを得られる保証が全くないどころか、スキー人口は減少中。どうしようもない八方塞がりの状態の中で、外資に売り渡した方が良いという判断です。

維持管理にかかるお金

維持費用が高いとなれば、それは将来的にコストが高いことを意味しています。維持・管理費が2万円だったとしても、追加で暖房光熱費などもかかってきて、さらに固定資産税もかかってくることになります。月のランニングコストは、狭い部屋でも3万円はかかります。

リゾートマンションを買って成功する人、失敗する人

  • 20 January 2025
  • のぶやん
リゾートマンションを買って成功する人、失敗する人

リゾートマンションを買って後悔する人

リゾートマンションを買って後悔する人は、「使わない人」でしょう。その土地に縁もゆかりもなければ、使うのは困難な場合があります。例えば、新潟・湯沢のリゾマンを買って、年に1回、2回しか行かないようであれば、1回の利用が数万円というあまりに割高な買い物になってしまいます。

例えば、関西に住んでいる人が熱海にリゾートマンションを購入するのは、現実的に使いこなせる可能性は低いでしょう。関西であれば、和歌山あたりにリゾートマンションを持った方が使いこなせる可能性が高くなります。

管理費から逃れられない

管理費というのは、自分が住まなくなっても払い続けなくてはいけないもので、逃れることはできません。購入する時には、その物件を維持できるかどうかを十分に考えなくてはいけません。住まない状態で毎月、数万円を支払い続けるのは非常に大変な出費になります。

月に1週間ほど過ごすのであれば、ホテルの方が良い場合も多いでしょう。例外として、スポーツが好きで道具を置いて置けるなどのメリットはあるかもしれませんけど。

人間関係が一番きつい

都会であれば、様々な人間関係から情報を手にすることがd系ますが、田舎ではそうはいきません。リゾートマンションで最も入手困難なのは、情報と言えるでしょう。田舎では、孤立してしまう可能性があります。最初は良くても、1年、2年と田舎に住んでいると、そのダメージが大きくなっていきます。

リゾートマンションで得する人

リゾートマンションで得する人は、定住する人かもしれません。維持・管理費だけで住むことができるとあれば、確かに割安ではあります。

湯沢のリゾートマンションの現在

  • 1 December 2023
  • のぶやん
湯沢のリゾートマンションの現在

基本的には駅チカになる流れ

湯沢駅には新幹線の停車駅になっていて、駅チカの物件であれば、少なくとも「アクセスに困る」ということはないでしょう。湯沢駅から歩ける距離には、駅前にドラックストアがあったり、ショッピングセンターのぐち(100円ショップCan Do)があったりします。ただし、近くにファミレスがある訳でも、牛丼屋がある訳でもなく、自分で食料調達して自炊することが必修のような場所になります。

駅の近くには、セブンイレブンなどもあります。また、外食したければ駅の中で外食することも可能です。最寄りの大都市高崎までは、片道1700円ほどになります。金があって全力攻略したいというのであれば、全力で攻略することは可能でしょう。

維持管理費を2万以下で探す

定住しないのであれば、小さめの物件で「セカンドハウス」として使うのが良いでしょう。維持管理費を2万円以内に抑えていきます。小さい物件であれば、失敗したとしても、買い手が付く可能性が高いです。大きな物件であれば、維持・管理費を嫌って、買い手が付かない可能性が高くなってしまいます。

苗場エリアは崩壊している

苗場エリアの物件は、湯沢駅から遠いということもあって、崩壊しています。苗場エリアの中心ホテル&スキー場である苗場プリンスホテルを運営していた西武は、苗場の施設をシンガポールのファンドに売却しました。西武鉄道の財力では、既に苗場プリンスを立て直すことは不可能であり、この判断は仕方なかったと周囲からも受け止められています。

カテゴリ: 

家族でリゾートマンションに住む選択はどうか?

  • 22 January 2022
  • のぶやん
家族でリゾートマンションに住む選択はどうか?

私は地方移住に対して否定的な立場をとっているけど、ある程度の条件が揃うのであれば、引っ越すことも選択に入れてもいいと思います。

子育てにリゾートマンション

リゾートマンションが10万円で購入できる時代なので、草津のあたりでファミリーで住めるリゾートマンションを100万円で購入して、そこを拠点に子育てをするというならば、悪くない選択ではないでしょうか?草津のリゾートマンションであれば、歩いていける距離にスーパーがあるので、買い物に困ることもありません。

一戸建てであれば、100万円で購入できる物件なんてほとんど「ボロ物件」しかありません。絶対にリフォームが必要になるボロ物件を購入しても、快適に生活することは難しいでしょう。

子供が小さいうちは現実的

子供が小さいうちであれば、リゾートマンションに住むという選択は、悪くない選択に見えます。子供が小さいならば、子供部屋を準備する必要がないからです。子供が成長してくると、子供のために「独立した子供部屋」を欲しがる場合があり、それが自立のためにも重要であったりします。

売却することは難しい

100万円で購入した物件を売却することは容易ではありません。10年~20年後には、その価値はゼロ円になることは目に見えているからです。そうなった時には、完全に「負債」としての要素が強くなってしまいます。

投資としてリゾートマンション不動産を購入すべきではない理由

  • 30 July 2018
  • のぶやん
温泉街の廃墟

日本では、『買い手がいないのに高値で売りに出されている物件』というのが沢山あります。特に立地条件が悪い田舎に『新築で一戸建ての家を建てる』時には、土地・建物代金で最低2000万円以上を支払いますが、売却しようと思ったときに買い手を見つけるのが不可能なのです。

例えば、数年後に2000万円で購入した物件を1000万円まで値下げしても、場所が悪いと買い手を見つけるのが難しい場合があります。日本の全国各地に売り物件がある状況なので、交通の便が悪い場所に購入しようと思う人が少ないからです。

温泉街の廃墟

悲惨すぎるリゾートマンション

売却価格が10万円まで下落して投げ売りされたリゾートマンションは、買い手を見つける事は『ほとんど不可能』になった状態です。資産の価値はゼロどころかマイナスであり、お金を支払って『誰かに押し付ける』事だけが目的として売られている状態です。

実際、リゾートマンションに全く住んでいないのに『管理費に悩んでいるオーナー』は多くいて、親戚に貸し出したり、友人に貸し出したりしています。

1年間50万円の維持・管理費

リゾートマンションの管理費は、普通の1LDKで年間50万円ほどが多くなっています。年間50万円を使えば、欧州にビジネスクラスで1週間ほど豪華ホテルの旅行ができたり、上手にお金を使えば、欧州1ヵ月旅行を楽しむこともできます。

50万円ほども使えば、リゾートマンションどころではない豪遊する事ができてしまうのです。

保有しないメリットが大きい

不動産は、お金があまって投資目的でもない限りは、保有しない方が良いでしょう。不動産の維持・管理費は高額であり、維持・管理費が高額のものを保有すると、自分の人生の身動きが取れなくなってしまいます。



カテゴリ: 

草津温泉のリゾートマンションが投げ売りされている惨状。築25年50万円でも買い手なし

  • 30 July 2018
  • のぶやん
草津温泉の美女

全国のリゾートマンションの投げ売りが話題になっていますが、草津温泉のリゾートマンションも例外ではありません。草津温泉と言えば、全国でも有数の温泉街が有名な場所で、全国から観光客が押し寄せる場所としても知られています。その草津温泉で、リゾートマンションが50万円で売りに出されています。

草津温泉の美女

100万円以下のリゾートマンションは、不動産会社の手数料を確保するために価格が付けられていますが、実質的にタダで売り出しているのと同じです。50万円のマンションが多数売りに出されている現状で交渉すれば、10万円まで下げるオーナーもいるでしょう。それぐらい手放したい物件なのです。

リゾート物件は住みづらい

草津市役所の近くには、小学校・中学校もあるので、ファミリーで居住するのに悪くない場所です。ただ、リゾート物件は、ファミリーで住むには狭すぎる部屋が多いのです。1LDKの43m2は、新婚さんが2人で住むには悪くない広さですが、子供が小学生・中学生となってくると狭く感じる事でしょう。

ある物件では、役所が近くにありますが、月額の管理費11,700円、修繕積立費6,420円、暖房費8,229円、クラブの会費15,585円、給湯基本料2,263円、上下水道基本料1,404円という形で、合計すると45601円の『基本使用料金』が毎月かかってくる計算になります。これだけ支払えば、この地域では、広い一戸建てを借りれてしまいます。

あまりに高すぎる維持費用で、売り物件が続出しており、100万円以下で大量に売りに出されています。

頭を下げて無料で買って貰う状態

毎月の管理料が数万円にもなるリゾートマンションは、買い手が全くいない状況なので、頭を下げて買ってもらう状況になっています。バブルがはじけた現在において、小さな1LDKのマンションを維持するために月額4万円を支払いたいと思う人は、ほとんどおらず、市場がほとんど機能しない状態になっています。

草津温泉のリゾートマンションを購入するぐらいならば、たまに草津に遊びに来て近隣のホテルに宿泊した方が良いと考える人が多い事でしょう。

カテゴリ: 

湯沢のリゾートマンションは、月額賃料8万円なのに10万円で売られている

  • 26 July 2018
  • のぶやん
マンション

激安10万円で売られているといわれている湯沢のリゾートマンションを短期で借りるといくらになるか?と思って見ると、何と月額8万円で貸し出されていました。10万円で売却できる物件なのに、賃料が8万円なんてスゴイと思いませんか?1ヵ月の賃料を支払えば所有できるにも拘わらず、購入したいという人は現れません。それは、借りる人がいないからでしょう。

マンション

借りるのも大変なリゾート物件

ババ抜きと言われるリゾート物件ですけど、購入するだけではなくて、借りるのも大変そうです。1ヵ月のマンスリーで田舎の満喫という需要はありそうですが、敷金・礼金がきっちりとかかり、ショート・ステイをあまり想定していないようにも見えます。こんな不便な所を敷金・礼金ありで借りるぐらいなら、東京都内で借りた方がよほど使い勝手が良いはずです。

リゾート物件で短期滞在が多いと思いきや『敷金2・礼金1』と書いてあって、1ヵ月だけ滞在するという用途を想定していないように見えます。2年契約して欲しいと考えている人が多いようで、2年契約だと割引があるような事が書かれています。いずれにしても、夏休みの間だけホテル代わりに利用するという用途では、貸し出している所は少ないように見えました。

負債要素が強い不動産物件

リゾート物件は、負債要素が非常に強い物件になります。保有している事で運用コストがかかり、ほとんど使うことがないからです。月額1万円ほどの少額の運用コストであれば問題ありませんが、ほとんどのリゾートマンションの運用コストは、3万円を超える金額に設定されており、誰もが手放したがる状況が起こっています。

カテゴリ: 

どんなに素晴らしい不動産物件であっても、利用者がいない!悲惨すぎる日本のリゾート物件

  • 26 July 2018
  • のぶやん
下落

田舎のリゾート物件は、もう投げ売り状態で、300万円を下回る価格で取引されることも珍しくなくなってきています。アクセスが悪い場所にあると、売却するのが大変であり、100万円を下回る価格で『投げ売り』されている物件も沢山あります。山奥にあってアクセスできないのに、リゾート物件には土地管理料が毎年かかるので、負債物件となるのです。自治体に寄付・譲渡しようとしても断られます。

このような物件が特に問題になり始めたのは、2010年頃からでした。リーマンショックの後に地方の物件が特に見向きもされなくなり、その中でリゾート物件に『ほとんど無価値』のものが大量に出回るようになったのです。

下落

お金を払って物件を譲渡する時代

不動産物件は、負債要素が強くなればなるほど、お金を払って誰かにあげる物件が増えてくるとみられています。とにかく自分の物件を手放して身軽になりたければ、将来の維持・管理料を誰かに支払う事によって、物件自体から解放されたいと考える人が多いからです。

苗場のリゾートマンションなどは、タダでも買い手がおらず、維持・管理料金ばかりかかります。将来の維持・管理料金を負担するので、物件を買い取ってほしいという需要が生まれてくるのは当然と言えるでしょう。『10年分の管理料・100万円あげるから貰って欲しい』という人が出てきても不思議ではありません。

200万円以下の不動産は無価値

200万円以下で売られている不動産は、一応ながら価格が付いているだけで、ほんとの価格はタダです。維持・管理費がかかるので手放したい保有者は、交渉すればタダ同然で手放す場合がほとんどです。200万円以下の不動産を売却しようとしても、周辺でも似たような売りばかりが出ているので、誰も買い手がいない状況になります。

激安物件で最も考えなければいけないのは、『管理費』です。月額1万円、年間10万円ほどだからとバカにすることはできません。月額1万円も支払えば、田舎で賃貸できる物件すらあるからです。

マレーシアのイスカンダル計画

マレーシアでは、2006年頃からシンガポールから車で30~40分のところジョホールバルにシンガポールと共同で非常に大きな町を開発しました。2006年と言えば、リーマンショックが起こる前で、世界的に不動産の高値が続いていた時期でした。そして、多くの日本人の個人投資家がこのイスカンダル計画に投資しました。

地元を良く知る人であれば、この計画が無謀である事をすぐに察知していますが、日本人投資家はそんな事はお構いなしに『大都市になる』という計画を信じて不動産を購入したのです。そして、世界各国から投資が集中して、建物がどんどん出来上がりました。その数は、需要など完全に無視した数であり、空き家がどんどんできる状況になっていくのです。最初から需要を考えずに供給して、供給過剰になっているのです。

お金持ち同士でリスクを投げあう

アジア各地で起こっている傾向として、投資家によって高級物件がいくつ建っても、若いファミリー層に手が出ない価格で空き家だらけになるのです。日本の1億円もするリゾート物件が『利用者がおらずに空き家だらけ』になっているのと似ています。住宅で重要なのは、利用者がいる事であり、人口がいくら流入しても所得に見合わないような高級物件には住めないのです。物件の多くは、外国人に買わせるために建てられた高級物件になっています。

需要など完全に無視して高級物件を建てまくり、リスクを取るのは外国人の投資家です。見栄えの良い高級マンションが次々と建ちますが、買い手がおらずに閑散として、投資家は手放すことができなくなります。投資に最も大切なことは、利用者を想定して、利用者がいる場所を購入する事だという事が分かります。リゾートマンション、高級物件は、その条件に見合っていません。高級物件を分割してシェアハウスとするのは、利用者に手が出しやすいようにするためです。

カテゴリ: 

Pages


アドセンス広告

関連記事